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【企業向け】モンスター社員への適切な対応方法とは

近年、企業において「モンスター社員」という言葉をよく耳にするようになりました。

彼らは乱暴な振る舞いで職場の雰囲気を悪化させ、場の生産性を下げる厄介な存在となっています。

今回は厄介なモンスターへの適切な対応を取ることで、状況を改善する方法について解説していきます。

モンスター社員とは

モンスター社員とは、企業や社員にとって有害な行動を取る従業員を指します。

彼らの特徴は多岐にわたりますが、主に以下のような傾向が見られます。

モンスター社員の特徴

モンスター社員と呼ばれるケースには以下のような例があげられます。

 

  • 自己中心的な言動が目立つ
  • 同僚や上司への攻撃的な態度
  • ルールや規則を無視する
  • 仕事の責任を他人に転嫁する

 

こういった行為は職場の雰囲気を悪化させ、チームの生産性を著しく低下させる可能性があります。

モンスター社員への対応方法

モンスター社員への対応は、法的リスクを最小限に抑えつつ、適切な措置を講じることが重要です。

以下に、法的観点から考慮すべき重要なポイントを挙げました。

退職勧奨

厳しい懲戒処分の前に退職勧告という選択肢が考えられます。

これでモンスター社員が、この会社は自分には合わなかったと退職したり、退職を勧告されるほどに自分の降るまいが問題であると自覚、改善したりする可能性があります。

ただ、退職勧奨が失敗した場合、次は懲戒処分をすることになるので、勧告を受け入れなかったら処分を下す、といった脅迫っぽさがでないように注意が必要です。

段階的に懲戒処分を行う

モンスター社員対策として、段階的な懲戒処分は非常に重要で効果的な方法です。

以下のような段階を踏むことをおすすめします。

 

1.口頭注意

まずは口頭で問題を指摘し、改善を求めます。

この注意は、問題のある振る舞いや行動の真っ最中や直後に行うとより効果的です。

後々に注意すると、明らかな証拠がない限り、しらを切られる可能性があるためです。

 

2.書面による警告

口頭注意で改善が見られない場合、次は書面で警告します。

日付や具体的な問題点、改善点を明記して、次は注意や警告では済まないと感じるような厳格さで伝えます。

 

3.減給

今までの対応で改善しない場合、労働基準法の制限内で減給します。

その際にも、減給の理由を明確に示します。

また、今までの対応よりも圧倒的に当人への不利益も会社のリスクも大きいため、専門家に相談することをおすすめします。

 

4.出勤停止

まだ解決しない場合は、一定期間の出勤停止を命じます。

停止される理由と停止期間中に給料が発生しないことも明記します。

 

5.降格・配置転換

減給や出勤停止までしても問題がある場合、次は降格や配置転換が考えられます。

ただ、この対応には業務上の必要性があり、労働者の不利益が必要最小限である必要があります。

 

また、全ての段階の対応で、常に就業規則を守ることと、改善するチャンスも同時に与えることが重要です。

解雇

最後の手段が解雇です。

解雇すればモンスター社員は消えますが、リスクも大きいため、今まででもっとも慎重に検討する必要があります。

懲戒解雇を行う場合、以下の条件を満たす必要があります。

 

  1. 就業規則に明確な懲戒解雇事由が規定されていること
  2. モンスター社員が実際にその規定された解雇事由に該当する行為を行ったこと
  3. その行為が懲戒解雇に値する重大な違反行為であること
  4. 処分が社会通念上相当であること

 

客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる場合にのみ有効とされます。

まとめ

今回はモンスター社員へ適切な対応方法について解説しました。

モンスター社員を不快に思うこともあるかもしれませんが、安易な判断や感情的な対応は避け、常に法的根拠を整えながら、慎重に進めることが重要です。

特に懲戒解雇などの大きな対応を考える際は、リスクも大きいので、弁護士に相談して進めることをおすすめします。

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弁護士 有田 和生(アリタ カズキ)

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    2008年 3月 大阪大学大学院 高等司法研究科 修了

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    2005年 3月 大阪大学法学部 卒業

    2008年 3月 大阪市立大学大学院 法曹養成専攻 修了

    2008年 12月 弁護士登録(札幌→和歌山→大阪弁護士会)

    2012年 9月 和歌山市 任期付公務員弁護士

    2016年 4月 近畿財務局 任期付公務員弁護士

    2020年 4月 茨木市 短期任期付公務員弁護士

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