遺言書の効果的な作成方法

遺言とは、生前に、自分が亡くなった後にどうするかという意思を死後に法律関係上反映させるために遺す書面です。一般には「ゆいごん」とも読みますが、法律用語としては「いごん」と読みます。こうした言葉の使い分けは、遺言(ゆいごん)の中でも特に法的な意味をもつ書面としての「遺言(いごん)」を区別するためと言われています。つまり、法的に意味のある遺言に仕上げるためには、一定のルールがあり、なんでも書き込んで良いというわけではないことに注意が必要です。

具体的には、法定されている事項を定めておくことができます。未成年後見人の指定(民781条)や、遺言執行者の指定(民1006条1項)など様々ですが、主には相続分の指定や遺産分割の方法の指定といった、相続財産の譲り先を決めるために用いられます。また、遺言は法定の方式に従って作成しなければ、法的には全く意味のない(無効)ものになりますから、この形式面を守ることが重要です。

方式として、主に自筆証書遺言、公正証書遺言があります。まず自筆証書遺言は、遺言者本人が紙と筆記具で作成する遺言です。自筆証書遺言は、遺言の内容となる全文、日付、氏名の全てを自書により作成し、さらに、押印が必要です。全ての財産をリストアップした財産目録の作成も必須です(財産目録はパソコンなどにより作成可能(民968条2項))。この方式は、費用がかからないというメリットがありますが、自力で作成すると、専門家による法的助言がないために細かな不備があり、結局無効となってしまうというおそれがあります。

次に、公正証書遺言という方式は、公証人に話した内容を公証人が筆記して作成する遺言です。公証人は法律の専門家ですから法的ミスが避けられますし、公文書になるため法律上強い力を持ちます。さらに公証役場で保管してもらえますから、とても安心な遺言です。もっとも費用面などのデメリットもあります。

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