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住宅ローンが残っている不動産を相続する場合の注意点

■ 相続する不動産と住宅ローン
被相続人が死亡すれば当然、相続が開始されます。しかし、その相続した財産の中に不動産があり、これが住宅ローンの支払い途中であった場合、その住宅ローンはどうなるのでしょうか。
そもそも相続は、被相続人から相続される財産を積極財産と消極財産とに大別することができます。通常、被相続人から相続される物は預貯金や不動産などの金銭的価値のあるような物が相続されます。これを積極財産と呼びます。しかしながら、被相続人に住宅ローン保証債務などの借り入れがあるような場合、これについても相続財産の対象になります。このようなマイナスの財産を消極財産と呼びます。相続人が相続した不動産に住宅ローンが残っていた場合、一定の事情がなければその住宅ローンも当然に相続されることになります。

 

■ 団体信用生命保険の加入有無
被相続人が戸建て住宅やマンションを住宅ローンを組んで購入する際に、団体信用生命保険というものに加入していた場合とそうでない場合で相続の時に相続人の負担が変わってきます。団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンを契約した人が死亡したときなどに支払い途中の残代金について、保険会社がそれを金融機関に支払ってくれるという保険のことです。被相続人が団信に加入していた場合、相続された不動産に住宅ローンが残っていたとしても、所定の手続きを踏むことによって相続人はその住宅ローンの支払いをすることなくローンの清算が可能です。しかし、住宅ローンには抵当権の設定が付き物ですから、その抹消手続きは相続人がしなければならないというデメリットもあります。団信に加入していなかった場合については、当然に相続人が住宅ローンの支払いをしなければなりません。

 

■ 他の住宅ローンを相続しない方法
被相続人が団信に加入していなかった場合、相続人が住宅ローンの残債務を清算しなければなりません。そうすると、相続人は相続の価値を享受できていない可能性があります。そこで、相続放棄という方法を取ることによって住宅ローンを相続しないことができます。相続放棄をすれば当然に積極財産と消極財産の全てを相続しないことになります。相続人は被相続人の相続財産に消極財産がある時、マイナスになる可能性が高いのであればそれを相続しないほうが賢明です。もし、相続する不動産に住宅ローンが残っており、団信に加入していないことが判明したのであれば、相続放棄を検討する必要性もあると考えられます。

 

このように、相続不動産に住宅ローンが残っていた場合に、相続人が注意するべきことは、まず、不動産の住宅ローン契約に団体信用生命保険の加入がなされているかを調べることです。もし、加入していないのであれば、他の相続する積極財産と住宅ローンの残債務を計算し、相続人にとってメリットがないのであれば相続放棄も視野に入れるべきということです。

 

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弁護士 有田 和生(アリタ カズキ)

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    2001年 3月 立命館大学法学部  卒業

    2008年 3月 大阪大学大学院 高等司法研究科 修了

    2009年 12月 弁護士登録(大阪弁護士会)

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    2008年 3月 大阪大学大学院 高等司法研究科 修了

    2009年 12月 弁護士登録(大阪弁護士会)

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    大阪弁護士会

  • 経歴

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    2005年 3月 大阪大学法学部 卒業

    2008年 3月 大阪市立大学大学院 法曹養成専攻 修了

    2008年 12月 弁護士登録(札幌→和歌山→大阪弁護士会)

    2012年 9月 和歌山市 任期付公務員弁護士

    2016年 4月 近畿財務局 任期付公務員弁護士

    2020年 4月 茨木市 短期任期付公務員弁護士

    その他公務
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    大阪労働局公共調達監視委員会 委員

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